執念の堀川 シリーズチャンプに王手!

 今シーズンは、夏の風物詩となった「四国のてっぺんラリー」が、4月に移動して開催されたため、2ヶ月以上のインターバルを経て、JMRC中国・四国ラリーシリーズの第4戦は開催された。
 そのJMRC中国・四国ラリーシリーズ第4戦は、市町村合併で中国・四国の最西端地となる下関市が舞台となるため、参加台数は落ち込んだが、シリーズのトップグループは顔を揃えた。
 Cクラスは、シリーズリーダーの手塚清明も石川より参加し、鬼の居ぬ間に・・・を目論んだ参加者を驚かせた。
 また、残念ながら、5年連続で王座に君臨し続けた渡部洋三のエントリーはなく、この時点で渡部の6年連続は、本人のフレーズ通り「宇宙一」遠くへ消え去った。
 Bクラスは、シリーズリーダーの細川勝司と松井繁往との間でマッチレースの様相を呈している。
 ダートがメインの今回、シリーズを戦う上で重要な一戦となることを一番理解していたのが、前戦の香川で不覚にも細川に敗れ、シリーズ2位へと降格した松井だった。
 Aクラスは、3戦連続でシルバーメダルを獲得している安藤恭平が、シリーズ制覇まで後一歩の所まで来ている。
 FCクラスは、第2戦から参加以来2連勝中の山口英明が参加し、第1戦で優勝を飾った、作田拓大の芽を摘みにやって来た。
 競技設定は、今年よりJAF公認コースとなった「楠ハイランドパーク」のダートラ場を使ったSSをこなした後、2本のSSが設けられたラリーステージへと向かう設定がされていた。
 競技がスタートすると、いきなりゼッケン1番の手塚のミスコースから始まった。
 特別規則により、最遅タイムに10秒を加算したタイムを与えられた手塚は、最下位のポジションでダートラステージを後にした。
 Bクラスにも大波乱は起こったのだが、AクラスとFCクラスで新チャンピオンが誕生した。



 ダートラ場を終えて、シリーズ2位の上野耕二がトップで上がり、4秒差で堀川竜二が追いかける展開となった。ラリーステージに入って、荒れたダートを堀川と手塚がトップタイムで駆け上がり、堀川は上野に1秒差まで詰めた。舗装の上りでは、上野が2番計時を出すが、堀川がトップタイムをマークし、ラリー区間を無難にまとめきって今季2勝目を飾り、シリーズリーダーの座に着いた。2位には上野が入り、3位には7ヶ所のラリー区間を斉藤哲史ナビが減点2で抑えて、手塚が最下位から這い上がってきた。


優勝 堀川 竜二/岡田 誠

2位 上野 耕二/鎌田 敏秀

3位 手塚 清明/斉藤 哲史



 ミスコースにはならなかったが、Uターンでコース復帰してタイムをロスした細川は、松井、山岡信雄、松原久らのライバルに対して大きく遅れてしまう。このダートラステージをトップで上がった松原は、続くラリーステージのダートでもトップタイムをマークし首位を不動のものとした。舗装のSSは細川が奪取したが、松原は2番計時でゴールに帰ってきた。ところが、チェックシートの提出遅れでペナルティーを受け、2位にポジションを落としてしまった。変わってトップに立ったのは、事あろうか、しっかりと松原に秒差の戦いを挑んでいた、ノーマークの山岡だった。3位には舗装のSSでコースオフし、優勝の女神に逃げられた松井が入った。


優勝 山岡 信雄/森 正信

2位 松原 久/香川 俊哉

3位 松井 繁往/田代 啓之




 安藤と日高隆紀との直接対決となったが、日高が5秒リードしてダートラステージを終えた。しかも、ラリーステージで安藤はナビの逆襲にあい、日高の楽勝ムードでラリーは進んだ。ところが、迎えたダートのSSで、今度は日高のタービンホースが外れるトラブルが発生し、一転して安藤の楽勝ムードへと激変した。結局、安藤は今シーズン初優勝を飾るとともに、シリーズチャンピオンも手にした。


優勝 安藤 恭平/原野 雅子

2位 日高 隆紀/原 信義




 SS1では、山下康彦と上田強がトップタイムを分け合い、山下がトップでダートラステージを終えた。しかしながら、1秒差にしっかりとシリーズリーダーの山口もつけていた。ラリーステージに入って、作田の反撃が開始されたが、ダートラステージのミスコースを挽回することは出来なかった。ラリーステージのダートSSでアドバンテージを築いた山口が3連勝を飾り、文句なしのシリーズチャンピオンに輝いた。


優勝 山口 英明/谷 正史

2位 山下 康彦/山田 美佐代


取材記事協力:


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