近畿の福永が初戦を制す!
 四国のてっぺんラリーと名付けられたイベントも、当初は旧本川村を起点とし、本川村内だけで行われていたのだが、徐々にそのエリアを広げ、平成の大合併により旧本川村がその長い歴史に幕を閉じたこともあって、今年は新たに旧本川村の隣に位置する高知県土佐郡大川村にスタート&ゴール会場を移した。
 また同時にこれまで、四国のてっぺんラリーと言えば、8月に灼熱の太陽の光がサンサンと降り注ぐ中で開催されていたが、台風の通り道となる四国においては、台風の影響によって競技会が危ぶまれたり、補修し終わったばかりの道路が雨水で流れたりしたことから、日本に台風が上陸するより前の4月または5月での開催を望んでいた。
 そして今年は、ここ数年4月にJMRCシリーズを開催してきたMACが、全日本選手権を4月に移し、JMRCシリーズは開催できなくなったことから、開幕戦を四国のてっぺんDCRラリーが担当することとなった。
 また、新たにスタート会場となった大川村と言えば、旧愛知県富山村の合併により、離島を除く日本一小さな自治体となったことや、毎年、夏の渇水期に四国の水ガメと称される早明浦ダムの水位が下がり、旧大川村役場の庁舎が現れたことがニュースで取り扱われ、その名を広く世間に知られている。
 さらに、これはあまり知られてはいないのだが、今年のモンテカルロラリーで優勝を飾った奴田原文雄が幼少のみぎりに駆け回ったと思われる場所が、今回のスタート会場となった旧白滝小学校だ。
 ラリーの設定は、舗装とダートのミックスで、ダートはこれまで通りに旧本川村で行われたが、舗装は一変して大半を大川村で行う設定だ。
 しかも、大川村民の方々ならびに大川村長さん達の並々ならぬご協力の賜により、県道を通行止してSSを行う許可も得られていた。
 いずれにしても、四国のてっぺんDCRラリーは年々進化を続け、これだけ強力な自治体のバックアップがあれば、更なる進化を続けるに違いない。
 SSは9SSが設定されたが、雨の影響を避けて4月に開催したにもかかわらず、台風並みの雨にたたられ、1ステージに設定されたダートのSSでBクラスを中心に予想以上のリタイアを招いてしまった。

 今年は近畿より福永修のエントリーがあり、渡部洋三や手塚清明とどのような戦いをするのかに注目が集まったが、SS1を福永、SS2は愛媛在住なのに九州の地区戦を主戦場とする小村健二、そしてSS3を渡部がトップタイムを分け合う形で始まったが、SS5で渡部がサストラブルによりリタイアしてしまい、福永の独走を許す結果となってしまった。2位にはSS5でトップタイムをマークした手塚清明が入り、3位には中国、四国の選手の入賞を阻み、小村が入賞した。


優勝 福永 修/原 信義

2位 手塚 清明/斉藤 哲史

3位 小村 健二/高橋 巧

Cクラス入賞者


 このクラスも、全日本戦で優勝経験がある九州の大津康孝が、最後の最後で近畿の仲鉄雄に逆転された昨年のリベンジを果たすべく参加してきた。SS4で昨年度チャンピオンの松井繁往が駆動系トラブルで後続車を止め、クラスキャンセルとなってしまったが、ライバルの消えた大津は全SSでトップタイムを叩き出すパーフェクト優勝を飾った。2位にはSS7でどうタイムベストの西隆司が入り、3位には九州の山岡信雄が入った。


優勝 大津 康孝/吉村 修二

2位 西 隆司/福代 亜寿男

3位 山岡 信雄/森 正信

Bクラス入賞者


 これまで中国・四国ラリーシリーズを牽引してきた平松浩行がSS2で、さらに清水順司がSS5でリタイアする波乱の幕開けとなった。さらに前述の台風並みの降雨状況でCクラスが走ったあとのダート路はコントロールすることさえ困難な状況だ。この状況下を最速で駆け抜けたのは、小ささにものを言わせたアルトの速水直樹で見事に優勝。SS6で唯一、速水に土をつけた安藤恭平が2位に入賞し、日高隆紀が3位に入賞した。


優勝 速水 直樹/岡 政人

2位 安藤 恭平/原野 雅子

3位 日高 隆紀/室下 英康

Aクラス入賞者


 ラリー初出場の神近由史がSS1をベストで上がり、ドライバー区間では優位に立ったがラリーは最下位となった。代わって浮上したのが、舗装のSSを全てベストで上がった作田拓大だ。作田はコースに対する恐怖感よりも、初めて隣に女性を乗せたことでアドレナリンが急上昇し、好結果を招いて見事優勝まで飾ってしまった。2位には2ヶ所のSSでベストを出した吉川直毅が入り、SS3で同秒ベストの伊東博文が3位に入った。


優勝 作田 拓大/吉田 ゆき

2位 吉川 直毅/藤井 博樹

3位 伊東 博文/梅津 義康

FCクラス入賞者


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